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中小企業家群像

物流ITサービスのナンバーワン企業
ロジザード株式会社 遠藤 八郎 氏(港支部)

ロジザード株式会社(港支部)

取締役会長
遠藤 八郎 氏
東京都中央区日本橋人形町3-3-6
人形町ファーストビル4F
設 立 2001 年7 月
資本金 2 億9 千万円
従業員数 70 名
事業内容 物流情報システム構築

夜行列車で上京、27歳で起業

1951年、秋田県に生まれる。高校卒業後に上京し専門学校でコンピュータを学ぶ。専門学校時代は新聞配達をしながら良いご縁で学生の勉強を優先してくれる販売店に入ることができた。同僚配達員の多くは文系の大学生で学生運動の残り香もある文学部、東洋哲学・・・・。大きな刺激を受けた。

卒業後は専門学校の先生が経営するソフトウェア会社に就職した。好きなことだから集中して仕事に取り組んだ。基本ソフト、制御系、業務アプリ系、多方面の経験ができた。

27歳の時、「遠藤君も独立するなら仕事を出すよ」の言葉にも乗って現ロジザードの前身となる創歩人コミュニケーションズを起業。しかし、3人で起業したが売上は全員で分配し、会社に利益は残らないような考え方で進めたために直ぐに行き詰る。

 

同友会に入会

 

税理士の紹介で東京同友会新宿支部に入会する。当時、青年経営者懇話会(青懇・現在の青年部の前身)の勉強会に参加、2泊3日の『裸の特訓』に参加し、三期分の決算書を持ち寄り一社6時間の持ち時間を使い、報告と駄目だしを受け、方針と理念を作り上げた。1995年一度会社は倒産の危機に、30人近くいた社員は3名を残し、あとは契約社員、外部委託として規模を縮小した。新宿支部の一班の班長をしていた時期だった。

同友会のIT部会の仲間の会社を間借りしながら、今までの大手の仕事の保守、メンテナンスを中心に仕事を続けた。バブルまでは営業しなくても仕事はあったが、バブルがはじけ、仕事が減る中、営業力で他社に負け、またたく間に仕事が減り、資金繰りにも行き詰まり短期間で倒産の危機に見舞われる。一億以上の借金に加え税金も一千万円以上ためることに。5~6年かけて借金を返済。2004年には税金も支払った。

 

新規事業を始める

 

日経新聞のコラムに世界的なクラウドサービス事業のセールスホットドットコムの記事が載った。これからは製品としてのソフトはいらない、在庫を抱えなくていいだけでも有利になる。アメリカで始まったサービス事業は数年後には、日本でも必ず始まる、日本のITはほとんどアメリカの後追いだから、必ず日本でも始まるサービスと確信する。

パッケージソフトも作っていたが、ネット上のサーバーに上げておけば製品は作らなくていいし、お客様にも安い料金で使用してもらえ、月々の使用料が安定的に入る。バージョンアップもメンテナンスもサーバーだけメンテナンスすればよい、低コストでいいものが提供できるということ。自社の『在庫管理システム』をこのシステムに乗せればうまくいくと確信する。

 

上場を志し、サーバー費用、営業強化のための資金調達

 

グリーンシートを始め10社以上のベンチャーキャピタルに提案書とプレゼンを繰り返し、2006年にやっと8000万円、投資を受けた。ショールームを開設し営業を強化して、業績を伸ばす。現在同社があるのは投資のおかげである。物流業界は社会的地位が低くIT化が遅れていた。就職したい業界ランキングでは最下位である。コンピュータを使って早く正確にすることで、物流の現場で働く人たちの道具として提供し、在庫差異や誤出荷が無く安心して仕事ができるようにする。物流は重要な社会基盤であり、自社のクラウドサービスがその底辺を支えることで貢献したいと語る。

 

上場を果たしたいま、これからの夢は

 

2018年7月、東証マザーズへ上場、受託開発からサービスへの転換を図り、ネット通販向け物流ITサービスのナンバーワン企業に成長したロジザード。今後の夢はとの問いに「投資のおかげで現在のロジザードがあるわけだから僕は70歳で会社をやめ、同友会の中でも良い経営理念と良いビジネスモデルを持っている企業は多くあるので、そのような企業を投資で支援出来たらと思います」。

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