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中小企業家群像

防水関連用品の先進材料・先進技術を ~グループ化された企業連携で、業界にきめ細かなサービスを~
光栄商事株式会社 内田 勲 氏(練馬支部)

光栄商事株式会社(練馬支部)
代表取締役
内田 勲 氏
東京都練馬区上石神井1-20-6
設  立 1975 年
資 本 金 4800 万円
社 員 数 6 名
業務内容 建築シーリング資材等
の販売、シーリング資材サンプルの製作、研修企画運営

光栄商事株式会社は、練馬区南西部に位置する西武新宿線上石神井駅の静かな住宅地にある。

建築防水のスペシャリストである光栄グループは資材販売部門の光栄商事㈱に加え、光栄工業㈱(工事部門)、光栄加工㈱(資材加工)、光栄不動産㈱がある。その内三社は弟である浩文さんが社長を務めている。

創業者は父である内田鴇鵺(ときや)さん。鴇鵺さんは熊本県阿蘇の出身で、東京でシーリング工事をしている義理の弟さんを頼り上京した。当時としては、まだ珍しい工事で仕事は順調だった。昭和41年に中野区で独立。小学生だった内田さんは、東京オリンピックの五輪の飛行機雲を見上げた記憶が今でも鮮明にあるという。「就学前は両親に連れられて工事現場に行き、よく弟と垂木でチャンバラごっこをしていました」と、家族ぐるみで仕事場に行っていた。ご両親の懸命な働きにより、練馬区上石神井に土地を購入し移転した。シーリング工事は技術があれば独立できる。社員が次々と独立していく中で、彼らにシーリング材を販売することもできると昭和51年商事部門を立ち上げた。

内田さんは1981年、創価大学経営学部を卒業して入社。1993年に光栄商事の代表取締役になった。「30歳、実績のないままの社長です」と当時を振り返る。大量に仕入れて大量に売る商売を競合他社のマネをして無理に続けた。ところがある時1500万円の自己振出手形が落ちないという大失態をしてしまった。なんとかご両親に動いてもらい難を逃れたものの、けじめだと思って「責任を取る」と社長を降りた。「窓際になりましたねえ。かなりその頃は尖った人間でした」と苦笑しながら当時を振り返る。

転機になったのは1988年。大手住宅メーカーの住宅ユニットの給水配管工事を関連会社の光栄テクノサービスで任されたこと。社員、職人との人間関係に苦心した。そして請負制度の厳しさも学んだ。「一番苦しんだ時期でもありました。でもそれがあったから今の自分があると思います」。
苦しい時期を乗り越えたからこそいろいろと対応できるようになった。この会社で経験(修行)したことが、今とても身についている。2011年に先代が死去し、後継者となった。「二度目の社長です!」と言うと社員たちは笑顔で迎えてくれた。

今年の4月に職人の技術向上、人材育成のための学校を設立した。

職人の技術を磨きたいという先代の遺志でもある。

同友会入会は1996年37歳の時。事務局が護国寺の天風会館にあったころの経営指針成文化セミナーを受講、練馬支部での成文化セミナーにも参加し、「私たち光栄商事は、商品・情報の流通サービスを通じてお客様と共に繁栄し、幸福を目指します」という経営理念を作成した。「社員への浸透が課題ですねえ」と呟いた。

内田さんは、練馬支部支部長、組織部長、広報部長を歴任して、現在では東京同友会副代表理事、中小企業家同友会全国協議会広報副委員長として活躍中である。人の意見に耳を傾け、謙虚にそしてアクティブに対応し組織を牽引する内田さん。苦しい経営体験の中で培った人間力が今日の東京同友会広報部の基盤をつくってくれたことに感謝しつつ、取材を終えた。

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