創業者の思いを大切に 人と人との信頼の絆を 温かいサービスでつなぐ ~地域に根を下ろした住まいの総合コンサルタント~
大幸ホーム株式会社代表取締役社長 林 良和 氏(杉並支部)
大幸ホーム株式会社(杉並支部)
代表取締役社長
林 良和 氏
東京都杉並区高円寺南2丁目19番35号
設 立 1988 年11 月
資本金 8600 万円
社員数 27 名(大幸グループ72 名)
業務内容 建築業、アパート・マンション管理業務、建売・分譲
杉並を走る関東バスのラッピング広告でよく見る大幸グループ。不動産仲介の大幸住宅㈱、物件管理の大幸ホーム㈱、情報誌発行ホームページ制作のネット・ナウ㈱三社の社長が林良和さんである。銀行のフロアさながらの窓口を経て二階応接に案内される。
会社の創業は一九六八年に、父君林直清氏が個人で不動産の仲介を始め、翌年法人化した。宅建業番号が(十三)一五三八四という長い歴史を積んできている。「地元の縁、人の縁で続けることができました」と謙虚に、そして静かに語る林さん。今でも売買案件より地味な賃貸案件を多く手掛けている。これは創業から変わらない。そのためバブル崩壊にも経営は揺るがなかった。
林さんは京都大学で生物学を学んだ。本人いわく「夢破れて」家業に就く。入社時、自分に求められていることは何かを考えた。今いる人達が手をつけていない、苦手な仕事をカバーし、サポートする、そこに自分の存在価値があると。
古参社員との軋轢は感じなかった。こなしていく内容で認めてもらうつもりだったからだ。社長業も後継者としての役割を充分承知して果たしている。理系出身の不動産建設業者は少なく、ロジカルな思考回路で、周りがまだ手をつけていないことに目が行き、頭の中に宿題がいっぱいありワクワクするという。
毎月住まいの情報誌「ハッピースマイ」を社内で制作して、高円寺近辺の郵便局や学校などで配布している。自社店舗拠点が現在八店あるが杉並高円寺に集中させている。以前は広告の意味もあり新宿にもあったが、情報の積み上げとその効果を充分に発揮させる戦略で地域密着特化型に変えた。
金融機関も口座の関係からメガバンクとの取引は続けていくが、「これからは信金信組との付き合いも力を入れたい」と語る。
高円寺と言えば「阿波踊り」で全国に知られているが、大幸グループも二日間警備でお手伝いしている。かつては社長自ら赤い警備灯を振っていた。
地元で生まれ育った。高円寺を始め阿佐ヶ谷、荻窪、中野の商店街は他の地域と比較して活気はある。この街の醸し出す空気が好きな人が集まることで、またその空気が増していく。それもいいことだが、子どものころ通った地元の店が無くなっていくのは寂しいと語る。「僕の思い出が消えていく」と、少年の顔を覗かせた。
取材のための来訪を告げた際、「事務の方の対応がとても好印象でした。
社員教育が徹底してますね」と言うと「先代の時からしっかりしているのです。私はそれを引き継いでいるだけ」とあくまでも謙虚。
同友会には㈱クギセイの中澤真一さん(杉並支部)に誘われて入会。同友会の印象を、「大学の同窓との話もそれなりに楽しいが経営者の心情は経営者にしかわから
ない。それを共有できることが何より素晴らしい。その一点だけでも価値がある」と語る。故人となられた松倉さんの塾生でもある。その縁もあり支部長も引き受けた。
同友会の存在は自分の経営のセカンドオピニオンだと語る。理論的に思考し誠実に仕事をこなす優秀な地域のテクノクラートに出会った。