目標が形骸化してきています(2023年10月)
当社は社員数十名の製造メーカーです。2025 年までの中期目標を定め、その達成のためにこれまで経営をしてきました。
ただ最近、2 年以上経過してきて、最初は良かったのですが、目標達成についてスタッフからも「疲れ」や「マンネリ感」が感じられるようになり、社長である私自身、策定した目標について「何か違う?」という違和感を感じるようになりました。
こういった場合、目標を変更した方が良いのでしょうか?打ち立てた目標を変えてしまうことも戸惑います。
確かに当初に打ち立てた目標を“安易に”変更することは良くないかもしれません。スタッフや周囲の方々への信頼度にも関わると思います。ただし、社長やスタッフに目標に対する「違和感」があるのであれば、
特に社長がそのように感じているのであれば変えないといけないと考えます。後はその変える方法次第だと思います。その変更した際の目標に至る「経営ストーリー」が納得がいき、社長もスタッフもワクワクするようなものであれば、その変更は逆に受け入れられるべく、当然に受け入れられます。受け入れざるを得ない。あとはその「経営ストーリー」をどのように策定していくのか?
経営ストーリーの構造は決まっていて、ビジョン―戦略―組織―業務―仕組み(システム)、という構造になっています。これらを一貫性を持って、誰もが「なるほど!」という形でまとめられれば、スタッフをも巻き込めるワクワクとした「経営ストーリー」になるでしょう。この中でも要となるのが戦略です。
ビジョン(=会社のなりたい姿、あるべき姿)も大事ではありますが、それだけだと“目標倒れ”になってしまいがち。そのビジョンに向けて、より具体的な道筋をいかに示していくか?それが「(一貫性のある)戦略ストーリー」です。やるべきことは「一つに絞り込む」こと。あれもこれも、では結局、「二兎を追う者は一兎をも得ず」になってしまいます。戦略の要素は「すうじ」と「ことば」。「すうじ」を一つに絞り、「ことば」を一つに集約することでシンプルで伝わりやすく、結果、ワクワクする「戦略ストーリー」を描くことができます。
この戦略「すうじ」を徹底的に考え、納得感があり、ビジョンとも一貫性があり、スタッフ皆がワクワクするモノに出来れば、戦略ストーリーとしては素晴らしいものになります。そして、この戦略「すうじ」が中期であったり、短期の目標となっていきます。
そして、大事なのが戦略「ことば」です。戦略「すうじ」を支え、スタッフ皆の「共通言語」となり得る「ことば」です。それは組織の「共通言語」となり、組織を束ねる際にとても重要なパーツになります。
このような戦略「すうじ」と「ことば」を念頭に中期目標を変えるべきものは変えていくのが望ましいと思います。
前田和宏(中央区支部)
つみき戦略株式会社
公認会計士・税理士
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