電子化するつもりはありません!(2023年4月)
当社は社員十数名の部品メーカーです。巷では、システム化や電子化が叫ばれていますが、当社では全て、「手書き」だけの帳票で仕組み化しております。事務員は1 人(家族)ですが事足りており、電子化の必要性を感じていません。スタッフも含め30代40代の会社だからか、廻りの方から「全て、手書きですか?!電子化とかしたら?良い人をご紹介しましょうか?」などと言われますが。
昨今は電子化の推進や“電子化しないといけない?”といった広告を目にしますし、政府なども電子化を推進しています。しかし、電子化は「しないといけない」モノでは決してない、と考えます。私も15 年くらい前に「FAX だけで受発注の仕組みを整えて業績も堅調なメーカー」に出会い、その際「仕組みは“それで丁度良ければ”、充分」と学びました。電子化は「仕組み化」であり、「上手く廻っていること」が大前提で「変えるのが必須」では無い。「上手く廻っていること」を壊す必要はありません。
ただ一方で、インボイス制度や電子帳簿保存法の改正による「“システム業界/ 会計業界”の特需」もあるので「変えよう!?」という状況も増えています。また「IT 化・電子化したいけれど自社だけでは無理で、いろいろと教えてくれる人もいない」といったお声もよく聞きます。自社で電子化を推進し、効率化や生産性アップをした話も聞きます(反面、失敗した話も同じように多いのですが)。
もしかすると、あなたが「変えよう」と“必要性”を感じないのは、相談できる人がいない/どうせ上手くいかないと思い込んでいる/いろいろと面倒、と思っているからかもしれません。
大事なのは「変えないといけない」ではなく、あなたが「変えたい」と思えるかどうか、ではないかと思います。
「変えないと、こんな大変なことやデメリットがある」と、売り込みも含めていろいろな人がいろいろなことを言います。でも一番大事なことは「なぜ、変えないといけないのか?」「なぜ、変えようと考えるのか?」、その「なぜ?」をあなた自身が腑に落としているか、ということです。どんな人のアドバイスや助言でも無い。
もしも、誰かに聞くのであれば、①あなたの「なぜ?」を一緒に考えてくれて、②結果的に必要なければ「であれば、変える必要はありませんね。」とも言ってくれる、そして、③あなたの会社の経営から業務、システムまでを全般的に理解してくれる方(システムだけ、業務だけのコンサルタントは山ほどいます)を探して下さい。
もし私であれば、あなたが「なぜ?」必要性を感じないのか、じっくりとインタビューしたいと思います。そして、「とてもよく分かりました。では必要はありませんね。」と太鼓判の回答をしたいと思っています。
前田 和宏(中央区支部)
株式会社 銀座みらい会計
公認会計士・税理士
TEL 03-5799-6056
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