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経営者Q&A

「自計化」とは?(2004年6月)

Q

最近、会計処理の”自計化”って言葉を耳にしたんですけど、私のところのような中小零細企業だと、自分の社員に経理業務の全部、特にパソコンを使ってインプットとかまでやるのは、人材と人件費、設備費用のこと考えると、会計事務所に丸投げでやってもらった方が、アウトソーシングとか言って楽なのでは?

A

うちの会社も小さい方ですけど、2~3年前から始めて、色々な面でやってきて良かったと実感していますよ。

Q

じゃ、会計事務所には決算だけ依頼してるのですか?

A

いや。せっかく専門家に会社の財産をチェックしてもらう機会なのに、決算だけなんて、もったいないじゃないですか。うちの場合ですと、まず、毎月訪問してもらって、指導してもらっています。なにしろ、自計化を始めた時は、経理担当、うちの家内なんですけど口ばっかりで、キーボードなんて触るのが初めてでしたからね。最初は、資料整理から伝票の起票、会計取引の判断とかね、経理全般に力を入れてもらいましてね。
最近では、こんな感じですよ。
まず、訪問してもらったら、パソコンの中の会計取引全部を資料と一緒にみてもらい、その後、社長と財務担当を中心に経営ミーティングの時間をとってもらってます。その時に相談するんですよ。うちの会社の今と将来についてをね。

Q

……えっ?どんなこと聞くのですか。

A

私たち、経営者といっても財務の分野では素人で知識が足りないって感じることないですか、たとえば銀行との面談とか。

Q

あるある。数字の説明って言われてもちんぷんかんぷんですよ。自分の会社なのにねぇ。

A

自分の財布の大きさと今の中身が分からないって感じですか。でも、社員たちはその会社の財布に生活を依存してますから、財務を知るのは重要なんですよね。それで、経営者としては会社の現状を正確に認識して、将来に向かって手を打ちたいと考えるわけです。ところが、会計事務所の先生方はプロといっても、うちの会社で毎日働いてないですから、手段として会計記録を通じて会社の経営内容の今と将来を分析してくれるわけです。だから、自計化が必要なんですよ。
毎日の取引を入力することで、今の問題を質問して、先生方からフィードバックがすぐしてもらえるのです。しかも具体的な数字を折り込んで。資金繰り面、経営目標とかが設定しやすいのです。メリットも大きいですよぉ。うちのかみさん、財務担当が一番喜んでますよ。

Q

パソコンできなかったんでしょう。ご苦労が大変だったのでは?

A

合理的にソフトが対応してくれるので、無駄を省けるんです。給料計算から請求書発行までソフトが連動してますから、同じ作業はいらないんですよ。時間の面で楽になりましたし、正確に帳簿に反映しますから、ゆっくりでも結果的には早くて、正確なわけです。

山賀 松栄(足立支部)
山賀公認会計士事務所
TEL.03-3605-2886
shoei-yamaga@tkcnf.or.jp

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