会議の効率と質の向上(2008年5月)
社長が外部団体の役職に着いたため、私が社内の会議の運営も所管しています。最近社内の会議が退屈する、長い、時間を浪費するばかりで物事が決まらない、などの声が耳に入っています。
恐らく、社長が直接運営されていた時代に比べ、会議の捌き方の相違が出てきているのではと思います。この機会に会議の運営の仕方について、原点から学べばより効率的で質の高い会議の運営が出来るようになると思います。会議もマネジメントの一種であり、うまく運営するには計画→実行→検証のマネジメントサイクルを回すことが成功につながります。
計画の段階では、どのような点に留意すべきなのでしょうか。
まず、議題ですが、会議は多種多様な意見を聞き、創造的な結論を導き出すプロセスなので、十分な議論の時間を確保する必要があります。一つの議題が審議し尽くされぬうちに時間となり、終わってしまう場合が多い様です。私は、会議の議題は3件以内に絞って十分に時間をかけて審議すべきと思います。会議にかける案件を決定したら、開催通知を関係者に配信します。これは「会議の目的と目標」「予定議題」「日時・場所」等を記載し、参加者に事前の認識と準備を促すもので、絶対に欠かせない事項です
実行の段階での留意点はどのようなものがあるのでしょうか。
まず議長があります。通常は主催部署の長が就任し、創造的な結論を得るために、参加者全員の活発な発言を引き出したり、会議の流れを主導します。次に議長はタイムキーパーを兼ねた書記(議事録作成者)を選任します。もちろん議題ごとに全ての質問に答えられる提案者は必ず出席させます。議長は場の雰囲気を勘案しながら、提案者の説明や、これに対する反論を求めたり、反論に対する反駁の機会を与えるなど、脱線や感情的対立を回避しながら議論の流れを誘導します。また少数意見にも発表の機会を与え、多数意見との意見交換の中から双方の納得を促します。頃合を見て、議長は、議論の経過を要約し、案件の採決に導きます。会議での決定事項は曖昧、抽象的でなく、具体的に「誰が、何を何時までに、実行し、どのように成果を出すか」を明示しなければなりません。
最後に検証段階で留意すべき点は何でしょうか
書記はすぐに議事録を作成して、遅くとも会議終了後3日以内に各部署宛に配信してください。効率よく議事録を作成するために、フォーマットを作っておくと便利です。フォーマットには議題ごとの達成状況と、決定したこと、未決となったことなどを明確に記録し、曖昧な表現は使わぬこと。議事録の内容は、配信前に議長の承認を得ておくことが必要です。
加藤 奏治 (練馬支部)
(有)(有) 加藤改善相談室
中小企業診断士
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