今回、23年度の税制改正事項を 取り上げてみました。(2012年7月)
Q
24 年3 月までに国会で改正された税制を教えてください。
A
改正点は次のとおりです。
- 平成23 年12 月2 日以降に申告期限が到来する国税から更正の請求期間が5 年間に延長されました。
更正とは、所得が減少または税金が少なくなる間違いがあった場合に、是正して納めて税金の還付が受けられる制度です。従前は1 年間でした。 - 平成24 年4 月1 日から始まる事業年度から適用されるもの。
①法人税率の引下げ(30% → 25.5%)
② 中小法人の軽減税率の引下げ(18% → 15%)
③復興特別法人税(通常に計算した法人税額に10% 上乗せする)従って、例えば年間の所得が1000 万円とすると法人税額は800 万円まで15% それを超える部分200 万円に25.5% の税率で法人税額を計算すると171 万円になりますが、それに10% を上乗せして188 万1000 円が納税額になります。(従前の納税額は204 万円です。)
④欠損金等の繰越期間の延長(7 年→ 9 年) - 2 年間延長された事項
①中小企業等投資促進税制
(従前の制度:160 万円以上の新品の機械等
購入した場合に、30% の特別償却が適用された。この制度が、26 年3 月31 日まで延長された。)
②交際費の損金不算入制度
(従前の制度:中小法人は600 万円まではその10%・600 万円を超えた額は全額が所得に加算される制度です。この制度を26年3 月31 日まで延長された。)
③少額減価償却資産の取得価額の損金算入特例。
(従前の制度:中小法人が取得した30 万円未満の固定資産は購入時の費用として計上できる制度。この制度を26 年3 月31日まで延長された。) - 個人の所得税に復興税を上乗せ
平成25 年1 月から受取る個人の収入に対して、従前の税率に2.1% を上乗せする制度。
いわゆる復興特別税。平成25 年から平成49年までの25 年間適用。
Q
消費税の仕入税額控除のルールが改正されたと聞きましたが。
A
平成24 年4 月1 日以後に開始する事業 年度より、消費税の仕入税額控除額が 変わりました。これまで、総売上高に占める 課税売上の割合が95% 以上であれば、仕入 に係わる消費税を全額控除できました(いわ ゆる仕入税額控除の95% ルール)。改正では、 課税売上高が5 億円を超える課税事業者につ いては、95% ルールの適用がなく、個別対応 方式か一括比例方式のいずれかで控除する税 額を計算する必要があります。
鎌田史郎(足立支部)
㈱会計情報・税理士
弁護士
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