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経営者Q&A

東京都の帰宅困難者対策条例の概要(2013年7月)

Q

東京都は大規模災害が発生した場合に備えて「東京都帰宅困難者対策条例」を策定、今年4月より施行と聞いています。都内に職場と社員を抱える事業者として、帰宅困難者の問題は、大変関心の高いところです。条例の目的を含めて教えて下さい。

A

先の東北大震災の際は、公共交通の一斉休止で350万人の人々が帰宅困難に遭遇しました。そしてもしも首都直下地震が発生するとしたら、帰宅困難者は448万人に達し更に混乱の度合いは増すであろうと言われてます。その様な中で、東京都では震災対策条例に基づく、「事業所防災計画に関する告示の一部改正」(24年3月告示5号)を行い、災害時の帰宅困難者の発生による混乱と、二次災害の防止について事業者の協力を求めたということです。

Q

実際に震災が発生した場合の私達はどう行動すべきでしょうか?個人として、事業者として、それぞれの視点から、教えて下さい。

A

まず、個人の視点はら考えましょう。個人の取り組みとしては、「むやみに移動を開始しない」。一斉帰宅を抑制しようということです。災害時には、安全を確保した上で職場や外出先等で待機するようにして下さい。次に安心して職場に留まれるよう、事前に準備してある家族との連絡手段を実行して下さい。なお、連絡手段は必ず複数用意しておくことを心がけて下さい。
次に事業者としての取り組みです。まず一斉帰宅を抑制するには、日頃から3日分の水や食料を社内に分散して保管して置くことです。従業員との連絡手段は複数用意し、定期的に訓練して、その機能確認できるようにする。加えて、社員一人一人の徒歩帰宅地図を作成し、公共機関やコンビニなども記入しておくことで、会社と社員が安全・安心を共有することにも挑戦してみて下さい。
余談ですが、あの東北大震災の日、ディズニーランドには、赤ちゃんからお年寄りの方まで、2万人のお客様が、あらゆる交通手段が止まって帰宅困難者として取り残されました。この人々の不安を和らげたのは、誰に命じられることもなく、時間を忘れてお客様に寄り添い、笑顔を絶やさず、子供たちにお菓子を配り、元気付けた1万人の従業員(キャスト)たちでした。これほどの規模の施設で大きな混乱や負傷者もなかったのは奇跡とも言えますが、そのキャストの誰もが緊急時の行動基準を理解した上で、自分の判断で工夫した対応だったこと、更に言えば年間180回にも及ぶ防災訓練の結果とも言えると思います。

加藤 奏治(練馬支部)
有限会社加藤改善相談室
中小企業診断士
TEL. 03-3925-6811
E-mail : kato@msj.biglobe.ne.jp

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