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経営者Q&A

マンションの第3者管理者管理とは(2015年12月)

Q

私はマンション管理組合の理事をしています。最近第3者管理者管理ということをよく聞くようになりましたが、これは何のことですか。

A
現在マンションの管理は、ほとんどが区分所有者の中から選ばれた理事長が区分所有法上の管理者となって運営されていますが、所有者の高齢化・賃貸化や、建物の大規模化・高層化による技術的高度専門化により、区分所有者の中からでは法律上の管理者を選任するのが難しくなってきています。そこで、外部の専門家を管理者に就任させることはできないか、ということが検討されているのです。
 区分所有者でない第3者が管理者になるということで、第3者管理者管理(以下、第3者管理と略す)と呼ばれているのです。
Q

そのような部外者を理事長=管理者にするのは規約違反になるのではないですか。

A
理事長=管理者としているのは規約上だけであり、法律上の制限ではありません。
 そのため、国土交通省が作成している標準管理規約でこれが認められるよう改訂作業が現在進められています。
 これまでにも一部では規約により第3者管理を導入しているマンションが存在するのですが、管理会社が管理者になる例などが生じており、工事発注に際して利益相反行為などの難しい問題が発生しています。
 そこで、第3者管理の適正なルールづくりを国交省が進めているということなのです。
Q

どのような専門家が第3者管理者になるのですか。

A
弁護士、税理士、司法書士、建築士、マンション管理士などが挙げられていますが、それぞれ一長一短があって、どれもそのままでは不十分です。何らかの特化策が必要なのです。
 私達弁護士としては、各種管財人業務の経験などから、マンション管理分野についても一定の強化研修を行うことにより、十分対応できると考え、その旨を国交省に提案しているところです。
Q

弁護士が受任するとなれば、報酬が高いのではないですか。

A
管理費から毎月支払う定額報酬と、大規模修繕などの際、修繕積立金から支払われる案件報酬との2種類になると思いますが、定額報酬は一戸あたり月千円位で十分対応できそうですし、案件報酬は工事費総額の数パーセントというような決め方になるでしょう。
 建築士や技術者など各種専門家と協力して、工事費の入札や査定が適正に行なえるようになれば、その報酬を上回るメリットが生ずるものと思われます。
Q

最近、弁護士の横領事件がよく新聞に載っていますが、億単位になるような高額の管理費、修繕積立金を外部の弁護士に任せて大丈夫でしょうか。

A

その点、管理者を交替制としたり、弁護士会としての監督制度を作ることや信託制度の利用、さらには新たな保険制度の開発など様々な対策が現在検討されているところです。

原口 紘一(三多摩支部)
原口法律事務所
弁護士

TEL.03-3361-9633
E-mail : haragchi@f7.dion.ne.jp
URL :  http://haraguchi-lawoffice.jp/

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