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経営者Q&A

インバウンドと地域資産の活用について(2016年4月)

Q

インバウンドが注目されています。地域資産の活用や、観光客を誘致してリピーターになってもらうにはどうしたらよいで しょうか。

A
日本の収支は、ライセンス収入と観光収入が大きくなっています。観光が競争力のある産業になったとも云えます。
 ライセンス収入は、著作権もありますが、海外進出した現地関連会社からが大きく、今までの技術力の利息の意味合いがあります。
 さて、昨年2015 年6 月号26 ページに紹介した地理的表示制度(GI)が発足し、早速10 件登録されました。近くでは「江戸崎かぼちゃ」(稲敷市・牛久市)があります。昭和50 年代から品質管理を行い東京市場で高い評価を得ているとされています。
 このGI は、地域の資産を顕在化させ、歴史性、物語性を含む素材です。『パルマハム、シャンパンなどそれぞれ情景を想像し、ブドウ畑、ワインの貯蔵倉、うんちくなど目に浮かぶ。行けば、得した気分、豊かな気持ちが醸成され・・土産も弾む』こんなストーリーを描き、インバウンドを取り込むことができる素材なのです。
 登録GI は、あおもりカシス、但馬牛、神戸ビーフ、夕張メロン、八女伝統本玉露、鹿児島の壺造り黒酢などです。他に申請中の案件もあります。よく知られるものもありますが、意外な感じのものもあるでしょう。
 これらをきっかけにして、工夫してみてはいかがでしょうか。
 素材は、中小企業家しんぶんの「食楽」の題材などに見られるように沢山あります。
 品質を維持し、統一性をもって実行する組織力が大切です。名の知れた地域産品は、作り手のこだわりがあって、基準統一には抵抗が残ること、自己都合に差がある等です。
 これらを克服し、GI、商標、ノウハウ保全、新規技術の特許化など知財と組み合わせて、強力なブランドを構築することを検討してはいかがでしょうか。
 観光に着目すると、他所から人を引き込んで、地域で振興を図ることができる可能性があります。GI に乗らなくても企画し、振興し、保全することは可能でしょう。
 地域力を上げることは、同友会の考え方を活用できるかもしれません。

長谷部 善太郎(千代田支部)
お茶の水内外特許事務所
司法書士・行政書士

TEL.03-6268-8575
FAX.03-3593-7127
E-mail : zhasebe@ochapat.jp

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