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経営者Q&A

農産品のブランドについて(2017年2月)

Q

地理的表示」という用語を耳にしますが、なぜ必要になったのでしょうか。

A

模倣品などの発生を防止し、優良農産品を普及させて、国内産の食料品を生かしていこうとするものです。

Q

U ターンして山形で農業をしている友人がいます。サクランボ、スイカ、ブドウなどで有名な彼の地元の有志が、東京 の大塚駅前で毎秋即売会を開いて、人気になっています。

A
安心・安全、品質、こだわりなど消費者の選好や訪日客もあって、生鮮食品のブランド化が各地で検討されており、生産者へも伝わり、積極的な取り組みにつながっています。
 さらに、日本食ブームもあって、海外での日本産生鮮食品の需要も顕在化しています。訪日客にも日本産の果物など大変評判です。生鮮食品は、外見では見分けが難し
いので、わかりやすく表示することが大事です。生鮮食品は目利きができないと偽装産品や粗悪品の選別ができず、結局敬遠されるか、値段勝負になってしまう恐れがあります。
 ブランド表示手段として、優れた伝統的な農産品を対象とする地理的表示の登録制度が2 年前から始められ、昨年末までに24 件登録されています。話題性もあって、販売数量、単価ともにアップにつながっている例もあります。これは、「パルマ・ハム」など同じで、地域特産品を指定し、品質維持と模倣品を排除しようとするものです。制度自体は、農水省のホーム・ページ等を参照してください。
 他の方法として、500 件ほどの地域団体商標があり、各地域で特産化を進めています。
 そのほかにも品質規格などを取得して、高品質の生産に意欲を持っている生産者が沢山います。
 消費者の評価が生産者に届かず、生産にフィードバックされない、また逆に、適切な利用方法がわからず生かされない産物などすれ違いが発生しています。
 各地のブランド化の動きは、産物に固有名詞をあたえ、氏素性が明らかになるものです。
 硬い表現では、消費者や訪日客と生産者をつなぐ表示機能となり、品質保証と価格保全になります。全体として安心できる商いができるものになります。
 ぜひ、山形で頑張っている友人の業者の方にも着目して、農産物に固有名をつけて販売してください。生産量が少なく、市場に乗りにくいものを掘り出して、固有ファンがつくことが期待できます。地域振興にもつながります。町田市の取り組みとして、商工会とメロン生産者がコラボして取り組んでいる町田の「シルクメロン」がありますので、参考にしてください。新規の栽培手法と、加工・販売まで戦略的に取り組まれています。

長谷部 善太郎(千代田支部)
お茶の水内外特許事務所
所長 弁理士

TEL.03-6268-8575
FAX.03-3593-7127
E-mail : zhasebe@ochapat.jp

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