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経営者Q&A

経営者の悩みは何か?小規模企業白書より。(2017年9月)

Q

経営者の悩み・経営課題は何か?

A

中小企業診断士の仕事は何かといえば、中小企業の経営者の悩みを解決することです。
経営者の悩みはそれぞれです。マーケティングや販路開拓など売上増加や、社内体制の整備・組織活性化などの様々な相談を受けています。
中小企業庁の「平成27 年度版小規模企業白書」をもとに小規模事業者(※)の悩みを考察します。白書の中で、重要になったと感じる経営課題は「販路開拓(44. 6%)」「人材確保(51. 4%)」と回答が多くなっています。販路開拓は「顧客ニーズ」と「自社の強み」の把握がポイントです。(※従業員20 人以下(製造業・その他)従業員5 人以下(商業・サービス業)。

■顧客ニーズの把握
「顧客ニーズを把握」している会社の方が好調傾向です(好調企業91.9%に対し不調企業81.3%)。
これによる効果は好不調の企業ともに「既存顧客との関係強化(56.2%に対し59.4%)」が最も高い回答でした。一方、「新たな顧客獲得(54.4%に対し38.9%)」や、「既存製品・サービスの改善(51.9%
に対し39.4%)」「新製品・サービスの開発(37.0%に対し28.7%)」の項目では好不調企業で隔たりがあります。新規顧客開拓や新製品開発の取組がさらに業績を向上させると言えます。

■強みの把握状況と把握に向けた取組
自社の強みを把握している企業ほど、好調傾向です(94.8%に対し82.9%)。ではどうやって自社の強みを把握しているのでしょうか。好調企業では、「他の経営者、知人からの評価の把握(45.1%)」
や「販売データ、口コミ等に基づいた評価の把握(35.5%)」により把握している傾向にあります。
経営者の過去の経験や感覚だけでなく、第三者の意見が重要です。気心の知れた経営者の集まる中小企業家同友会は上手に活用していただきたいと思います。

■人材確保の取り組みの成否
それでは「担い手」である従業員の採用活動は成功しているのでしょうか。
会社規模の大小に差はありますが、概ね採用後は「期待どおり人材を採用でき」、かつ、「定着率も高い」という傾向にあります。採用するまでが大変なのですが。

■人材確保の有効な環境整備
では、どうすれば人材確保に成功する企業になれるのでしょうか。
「待遇(成功31.4%に対し不成功39.3%)」という回答は成否別に関わらず高い項目ですが、「時間外労働の削減・休暇制度の利用促進(28.9%に対し25.4%)」や「勤務時間の弾力化(26.0%に対し
18.0%)」等は、人材確保の成功企業と不成功企業の間で回答に差がつく傾向にあります。
シニアや女性など優秀な人材はまだ埋もれています。「勤務形態に柔軟性をもたらすこと」が、人材確保の定着に向けて、有効な取組と言えると思います。

原 知世(豊島支部)
はら中小企業診断士事務所
中小企業診断士

TEL.080-3415-0217
E-mail : tomotsugu.hara@gmail.com

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