補助金申請のポイント(2019年9月)
補助金申請で採択されるには、申請書はどのように記載するべきですか。
補助金は借り入れと異なり、返済義務がありません。また、要件を満たせば採択される助成金と異なり、補助金の事業目的に適合するものを申請から採択するのが補助金です。ほとんど全ての業種で申請可能な補助金として、経営計画を作成して販路開拓等に取り組む「小規模事業者持続化補助金」と生産性向上に資する革新的サービス開発などを行うための設備投資等を支援する「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(略称ものづくり補助金)」が有名です。採択されるには募集要項に記載の「審査のポイント」に則して記載する必要があります。実際、審査する時には、このポイントの項目ごとに採点しています。あくまで採点者のひとりとして私見を申し上げます。
持続化補助金の場合、「自社の強み」に則した記載がポイントだと思われます。この「強み」を採点者は「お客様に認識されているか?」「独りよがりになっていないかな?」と評価しながら、申請書を採点します。もちろん売上の増減も見ます。「強み」が顧客に理解され浸透しているなら、売上は増えるだろうという経験則です。無論、売上が下がっていても原因分析がされ、対策が示されているものは、説得力があり評価されると思います。どんな企業にも強みは必ずあります。ただ、見つけ出すことにコツがあり、少し難しいだけです。「自社の強み」の発見のコツ・根拠裏付けとして情報を取りやすいのは「お客様の声」です。日々、営業されている中で、お客様にどんなメリットを提供できているか質問するべきでしょう。顧客が求める価値を分析し、効果的に届けることはマーケティング活動と言えます。
「ものづくり補助金」の場合、設備投資が前提です。その上で、申請事業が「技術面」と「事業面」で優れているか採点しています。技術面では「課題解決の方法が明確か」「技術的に本当にできるのか」などを項目ごとに採点します。事業面では「事業実施のための体制」「市場ニーズを踏まえた上で、市場規模が明確か」「優位性があるか」「スケジュールが適切か」など事業の実現性を採点しています。そのため、エクセルなどを用い、増収、実現のための費用の増減を含めた損益シミュレーションは重要だと思います。
両方の補助金について申し上げられるのは、点は各項目に均等に振られているので、全ての該当する項目には抜けなく記載する必要があります。