既に『建築一式工事』の許可を受けていますが…(2022年9月)
当社は、3年前の会社設立直後に建設業許可(建築一式工事 1業種)を取得して、主に住宅の新築、増築、リフォーム工事等を行っています。
先日、取引先の元請業者と話をした際に「内装仕上工事業等、他の業種の許可も早く取得した方が良い。」というアドバイスを受けました。
当社は、既に建築工事業の許可を取得しているのですが、許可業種の追加は必要なのでしょうか?
可能であれば「業種追加申請」をお勧めします。
建設業者によくある誤解として、「『建築一式工事』の許可を取得していれば、内装仕上工事等のすべての建築系業種に該当する工事を問題なく受注、施工できる。」というものがあります。
これは、建設業法に照らして詳しく説明しますと、「元請業者として総合的な企画、指導、調整の下に建築物を創設する工事であり、複数の下請業者によって施工される大規模かつ複雑な工事」つまり建築確認を必要とするような新築、増改築工事(建築一式工事)として施工するのであれば、建築工事業の許可のみで屋根工事、内装仕上工事等の各種専門工事を問題なく施工することが可能なのですが、各種の専門工事(例えば、内装仕上工事や屋根工事のような部分的な工事)のみを受注する場合は、問題になる場合がありえます。
例えば、請負金額税込み500万円以上の内装仕上工事のみを請け負う場合、建築一式工事の許可を受けているだけでは、建設業法違反となってしまいます。
を受けているだけでは、建設業法違反となってしまいます。
建築一式工事の許可の対象となる工事は「新築・増築」に限られますから、建物の内外部改修工事を施工する場合は業法上の建築一式工事に該当せず、「内装仕上工事」等の各種専門工事として扱われる可能性があります。従って、そのような各種専門工事については、それに該当する業種の許可を取得していない限り、請負金額500万円以上の工事を請け負うことはできないことになります。
現在、当社では小規模な修繕、リフォーム工事の比率が高く、新築増築以外の工事で請負金額500 万円を超えるケースはないのですが、最近は資材の価格が高騰していて、500万円を超えるケースが生じるかもしれません。
現在受けている許可においては、代表者の私が経営業務の管理責任者(経営経験年数5年以上)となっており、二級建築士の資格で専任技術者も兼ねています。
業種追加申請の要件ですが、経営業務の管理責任者の経営経験年数については、特に問題はないと思われます。専任技術者が二級建築士の有資格者であれば、大工工事業、屋根工事業、タイルれんがブロック工事業、内装仕上工事業の4業種についても専任技術者となることができます。
既に社会保険等に加入しており、財産的基礎等にも問題がなければ、業法違反を避けるため業種追加申請を急ぐべきです。
幸野茂人(足立支部)
幸野行政書士事務所
行政書士
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