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経営者Q&A

育児・介護休業法の改正(2002年11月)

Q

日朝、2歳の子どもが風邪をひいたので休ませてほしい、と連絡してきた共働きの男性社員がいたのですが、年次有給休暇を使わせてはいけなかったのでしょうか?

A

そうですね、今年4月に育児・介護休業法が改正されましたが、ご存知のようですね。平成11年4月1日から、女性の時間外労働・深夜業の規制が撤廃されまして、あちこちで深夜も働く女性の姿を見かけるようになっていますが、それに伴って育児・介護を行う女性の時間外労働について一定制限を設ける措置がこの3月で終了しました。
そして新たに今年4月からは、小学校就学前の子を養育、あるいは要介護状態にある対象家族を介護する男女労働者(1年以上継続雇用・共働きなどの一定範囲)とも、請求すれば一月以上一年以内の期間に、一月について24時間、一年について150時間を超える時間外労働をさせてはならなくなりました。また、勤務時間の短縮等の措置義務(短時間勤務、フレックスタイム制、始業・終業の繰り上げ・繰り下げ等)の対象となる子についても3歳未満(1歳未満の子は一定範囲の父母どちらでも育児休業を申し出れば事業主は拒めない)に拡大され、加えて、育児・介護休業を申し出たり取得したりしたことでの降格、減給、解雇などの不利益取り扱いが禁止となりました。
そして、改正の目玉として、小学校就学前の子どもが病気やケガをした時に年次有給休暇とは別に休みがとれる「看護休暇制度」(5日が目安、無給有給不問、パート社員も対象)が盛り込まれたのです。でも、今回はその導入については努力義務なので、ご質問にあるように年次有給休暇を使っても法律違反ではありません。ところで、御社は常時何人の労働者を使用されていますか。

Q

パートさんを入れて8人です。

A

そうですか、ではお一人でも急に休まれてはかなりたいへんでしょうね。他の人にしわ寄せがいくでしょうから。でも、これから優秀な若手を採用するのであれば、男女を問わず子育てをする社員さんはもっと出てきますね。子どもはいつ大病やケガをするかわかりません。ある調査ではそのために保育園などに預けられなかった日数は年間平均24.3日もあるようですから、もし、自社に制度化した看護休暇があれば、遠慮も半減され気持ちにゆとりができるのではないでしょうか。そして、子どもが理由なだけにお互いさまの助け合いの精神がはぐくまれ、かえって良い人間関係を築くこともできるのでは、と期待できます。5日程度なら有給にしてもそれほどの負担にはならないでしょうし。また、求人においても、導入の少ない中小企業だからこそ光るメリットにもなるのではないでしょうか。最後に、努力義務の今だからこそ、導入した企業には奨励金もあることを申し添えておきます(中小企業は40万円)。

倉本小百合(品川支部)
社会保険労務士 (株)リヴル総研
TEL 03-3802-6819

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