資金繰りを楽にするには(2002年8月)
資金繰りを楽にする方法はないですか?
売上を上げろ、と言ったんじゃあ元も子もないですよね。ところで社長、在庫はどうなっています?
倉庫にうなってます。
たたき売れませんか?
そんなことをしたら、赤字になってしまいますよ。大体売れないから残っているのに。
でも、通常価格では売れないということでしょう?倉庫にしまっている費用は大体在庫仕入れ価格を1として1.5以上かかると考えるべきだという考えもありますよ。さらに、在庫を廃棄してしまっても、倉庫のスペースをあげるという意味で効率が高まると考えることもできます。店舗にあったらなおのこと、デッドスペースは店全体を悪くしますよ。ツキの法則って言うじゃあないですか。銀行対策はあるでしょうが、理由のある処分は、受け入れられるのではないですか?
廃棄するのにも最近は費用がかかるからなあ・・・。
そこが、全体のバランスを見た判断になるわけです。ある商品が売れるか売れないか、それは社長がどれだけお客様を知っているかにかかってきますので、どうも我々には歯がゆいところですが・・・。それから社長、実は、通常の業務の中にも、パフォーマンスを考えていけるところが結構あるのです。
専門のところで恐縮ですが、例えば経理の伝票です。経理の伝票は特に中小企業では、データ収集を念頭に書くべきです。パソコンで細かく入力することはあとで非常に有効に活用できます。が、あとで何に使うのか考えずにやたらと細かく入力することは無意味なことがあります。また、伝票を作るため紙に書くことは、人件費+紙代がよけいにかかるということを考えるべきです。紙代はいざ知らず、人件費は馬鹿にならないはずで、こういうところをできるだけ効率化することが、結果的に原価低減につながります。これはルーティンの型作りですね。
でも経理のことでしょう?
たぶん一事が万事です。例えば、チラシをまきますよね。そのときに効果測定をしていないと、金を有効に使ったことにならないですよね。効果測定には費用がかかる可能性がありますが、費用はあくまで売上をもたらしてもらわないと困るわけだから、ここにはお金を使うべきなのです。この観点から言うと安いからというだけで、広告などの媒体を選んではいけないということもでてきます。これは、営業活動でのルートづくりにももちろん応用できますよね。
そういう観点でみたことなかったかもしれない。
と言うことはこれからまだまだやれることがあるっていうことですよ。
鶴田 勝巳(三多摩支部)
税理士 しくみ工房
TEL 0426-67-0930