目の前の人に、 なにが貢献できるのかを第一に。 そして、自らも楽しむことを忘れず寄り添う。
小屋 洋一 氏
株式会社マネーライフプランニング
代表者
小屋 洋一 氏(千代田支部)
【会社概要】
設 立 2008 年 11 月
従業員数 2 名
事業内容 ライフプランニング作成、個人向け FP コンサルティング、金融資産運用相談(投資助言業)、不動産コンサルティング
所在地 東京都中央区銀座3-11-13
松本銀座ビル6 階
H P https://mlplanning.co.jp
ファイナンシャルプランナーという言葉を耳にする機会は多いであろう。主に個人の保有する金融資産の将来図をクライアントとともに計画立てをし、資産運用の実践に際しては伴走をする専門家を指す。その名称を保有するにあたってはいくつかの団体によって認定が行われているが、最多会員数を誇る日本FP 協会では資格保有者は約18.8万人となっている。
しかし、資格保有者の内訳は金融機関(銀行、保険、証券など)に務める方が多く、ファイナンシャルプランナーだけを生業としている専門家はほんの数パーセントにしかすぎない。小屋洋一氏(千代田支部)は、この数パーセントに入る金融資産運用のプロフェッショナルである。
小屋氏と向き合うと、その印象は『さっそうとしている』、もしくは『ひょうひょうとしている』となろう。どちらの言葉が適しているのか。辞書を引くと前者は「人の姿や態度などがさわやかできりっとしているようす」となり、後者は「ものごとにこだわらず、ゆうゆうとしているようす」とある。
どちらも小屋氏を表現するに適していそうだが、やはり『さっそうとしている』を選びたい。それは氏の大きな目標と一致するからだ。ファイナンシャルプランナーだけを生業としているプロフェッショナルはほんの数パーセントと述べたが、小屋氏はこの数パーセントをさらに広げ、日本における真のファイナンシャルプランナーを育成することを志のひとつとしている。そしてこの夢を担う組織として、10年ほど前から日本FP アドバイザー協会に主要メンバーとして参画し、当時は7名ほどだった会員数が現在100 名ほどになったという。「岸田首相のあと押しもあり、金融庁主導で金融経済の教育を担う認定アドバイザー制度がこの8月からプロジェクト化します」と小屋氏。「現在、携わるこの協会には個人事業主が多く、どのような想いでビジネスに臨むのか、という姿勢を伝えるのが自分の役割だと思っています。これも同友会での学びです。1000 人、2000 人と志を一緒にする仲間を増やしたい」と語る。
2008 年11月、リーマンショック直後にマネーライフプランニングを立ち上げた小屋氏。初年度はどのように生計を立て、そしてFP 事業を広げていけばよいのか見当もつかず、困惑ばかりが募ったという。そしてFP の先輩から「小屋さん、FP の最先端を学びにアメリカへ見学に行こう」と誘われ、「ハイ」と即答。米国のFP ビジネスモデルを目の当たりにし、自らの力で米国モデルを日本に持ち込めると確信を得たという。
以降、6年をかけて人との関係づくりに邁進した。東京同友会との出会いも、富澤氏(元千代田支部長)からである。以降、政策渉外部、青年部、千代田支部、そして経営指針成文化セミナーで学びを深め、実践をしてきた。「人から誘われるって有難いことですよね。来たらいいよって認めてもらえてるのと同じですから、ハイって応えます」と微笑む。千代田支部長を経て、現在は共育委員会、経営姿勢確立セミナーに軸を置く。
「資産運用のコンサルティングは論理と計算が中心なので、理屈さえわかれば誰にでもできます。ただ、コンサルティングはクライアントがあってこそ。目の前の人に、どのように貢献できるのだろうというあり方を持つことが大切です」と小屋氏。「たとえば、リタイアを考えている人が金融機関の窓口で、将来は離島に家を買いたいと夢を語ったとします。でも、金融機関の窓口の方は特にそのことについては具体的に応えようがないわけです。それに対して、私たちは “手伝いますよ” って言えます。この信頼関係を築けたならば、夢を語った方も、それをお手伝いさせてもらえる方も楽しいですよね」と声が弾む。
小学生のころから株が好きで、取り引きはできないものの株式市場を見続けてきた小屋少年。新卒でリース会社の営業となり、中小企業オーナーと面会し、その自由さに惹かれた。自らも事業を立ち上げようと決めて、学びを進めていたときに出会ったのが実業家 邱永漢(きゅうえいかん)氏。「邱永漢さんが企画した中国企業見学ツアーには必ず申し込んで参加をしていました。その際、いただいた投資哲学の言葉(色紙)はいまでも自分の指針です」。
人の行く裏に道あり花の山
「投資には多くの人が集まる場所は避け、一時的に人気がない場所を探し当てる一種の嗅覚が求められます。お金のアドバイスと並んで、クライアントに寄り添うことが大切です。そして、その人生が好転していく流れをともにできることがこの仕事の醍醐味です」と投資哲学を見つめながら語った。