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経営者Q&A

税制改正を乗り切る知恵を絞ろう(2003年9月)

Q

ここ数年商法・税法など法制度が激変し、中小企業を取り巻く環境もかなり変化してきています。どう対処すべきでしょうか?

A

売上を上げよう、経費を削減しよう、強固な組織を作ろう等というのではなく、一斉に適用される制度であれば、かえって工夫次第で、アドバンテージがとれないか?という視点から、いくつかアイデアを出してみたいと思います。業種ごとに視点は異なりますので主に小売業を念頭に置いていることを最初にお断りしておきます。

(A)平成16年から、お客様に対する価格表示が消費税を含めた総額表示になります。これに対してちまたにはいろんな情報や解説がでています。貴社にも税務署から通知がきていることと思います。さて、解説を読んでも対策はでませんね。また、4月から施行なのかどうかははっきり言って枝葉末節の問題だという気がするのです。思うに、ここでのポイントは、消費者に対する表示であるという点です。いろんな解説では口頭での表明は関係ないと書いてあります。では、すべて値札なしの商売にしますか? 無理ですよね。そこでこれはこう考えたらどうでしょうか。例えば、本体価格10000円消費税500円の商品があります。これが、総額10500円と判るようにしなさいというのが法の趣旨です。
つまり、表記上例えば「本体10000円税込10500円」とするのですが、これは、(1)本体10000円 税込10500円(2)税込価格10500円等とするのと同じでしょうか? 明らかに違うと思った方は、お客様の購入動機が主に心理的要件で決まると言うことをよく知っている方だと思われます。はっきり言ってこれはだいぶ違うはずなのです。今までキャッシャーで、1万円です、消費税500円頂きます、といっていた場合、10500円と表示したら、値上げだ!とお客様は思うわけです。だとすれば、(1)にすると、いい効果があるかもしれません。これは、強制適用前に是非試しておくべきだと思うのですがいかがでしょうか? 表記の差があまり極端ではまずいかもしれませんが、こういった工夫は大切だと思います。

(B)試験研究費の税額控除は従前からありますが、サービスの提供にかかる試験研究をもっと研究すべきだと考えています。これは使いようで売上増に向けてのツールとなり得ると思うからです。
紙面の関係で十分ふれられませんが、人の考えないことを考える癖をつけることが攻めの基本だと考えています。

鶴田勝巳(三多摩支部)
しくみ工房 鶴田勝巳事務所
税理士 Afp 英国会計学修士
katumitsuruta@excite.co.jp
TEL 090-6118-5052

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