後納制度について(2012年11月)
『国民年金保険料の納付可能期間延長のお知らせ』という手紙がきましたが、これはなんですか。
『国民年金保険料の納付可能期間延長のお知らせ』は、国民年金保険料の後納制度の対象とされている方に送付されているお知らせです。
「国民年金及び企業年金等による高齢期における所得の確保を支援するための国民年金法等の一部を改正する法律(年金確保支援法)」が平成23 年8 月10 日6に公布されました。その法律の附則第2 条に規定されている国民年金の保険料の納期の特例(後納制度)が平成24年10 月1 日から施行されることとなりました。
後納制度とは、平たく言えば、国民年金保険料の未納保険料を遡って支払うことができる制度と考えて下さい。もともと、国民年金保険料は、その納付期限より2 年を経過すると時効で納付することができません。
平成24 年10 月1 日から27 年9 月30 日までの期間に限り、承認を受ければ、過去10 年以内の未納分を納付することが出来ますという制度が後納制度です。
それでは、『後納制度』について、簡単に説明をいたしましょう。
- 承認申請をし、納付できる期間は、平成24年10 月1 日から27 年9 月30 日までです。
- 後納保険料の対象期間は、保険料の徴収権が時効(2 年)により消滅した期間と未加入期間です。
- 対象となる保険料は、平成14 年10 月分から25 年7 月分の保険料で上記「2」の対象期間に係る保険料です。
- 納付期限は、後納対象月から10 年後の月末。
例えば平成17 年4 月分の納付期限は、27 年4 月末となります。 - 納付する保険料の額は、3 年度以上、遡って納付する場合、その当時の国民年金保険料に加算金がつきます。
例えば、 24 年10 月に平成14 年10 月分を支払う場合、当時の国民年金保険料13,300 円に加算金1,640 円が加算されます。(合計14,940 円) - 『後納制度』を利用できる対象者です。
・20 歳〜60 歳までの方………・10 年以内に未納期間がある方
( 納付済や免除期間を除きます。)
・海外等に居住していて未加入期間がある方
・60 歳〜65 歳未満の方………・納付済期間が480 月未満の方
・65 歳以上の方、年金の受給権(25 年)が無い方。
※ただし、以下の方は、後納制度を利用できる対象者とは、なりません。
・60 歳以上の方で、繰上支給の老齢基礎年金を受給している方。
・65 歳以上で老齢基礎年金の受給権を持っているが、手続していない方
『後納制度』を使い国民年金保険料を納付するかしないかは、もちろん、皆様一人一人の判断です。しかし、65 歳未満の方のうち、老齢基礎年金の繰上請求していない方で国民年金保険の被保険者期間が480 月になっていない方は、納付することで将来の年金について増額が可能です。また、障害年金や遺族年金の受給の可能性が考えられる方についても、納付することによって、年金を受給するための支給要件の一つである保険料納付要件がクリアできることが考えられます。
年金は、老後の生活の支えでもあります。年金を受給するに当たり25 年の要件を満たしていない方のみならず、480 月になっていない方にも考えて利用して頂きたい制度だと思います。
浅野 敦子(新宿支部)
浅野社会保険労務士事務所
特定社会保険労務士
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