社員が出産するときの手続き(2014年8月)
Q
パートタイマー社員が出産する予定ですが、どのような手続きが必要ですか。
このパート社員は勤務時間が週30 時間以上で社会保険(協会けんぽ)に加入し、雇用契約は数年繰り返し更新しています。
A
出産育児一時金:健康保険に加入している本人が出産(妊娠4 ヵ月以上)したときに支給されます。
給付額は一児につき42 万円(産科医療補償制度に加入していない医療機関の場合は39 万円)です。
なお、出産育児一時金の直接支払制度を利用すると出産育児一時金が協会けんぽから直接医療機関へ支払われるので、医療機関の窓口で高額な出産費用を支払う必要がありません。
直接支払制度を利用できるかどうかは出産予定の医療機関に確認しましょう。
出産手当金:本人(被保険者)が出産日(出産が予定日より後になった場合は出産予定日)以前42 日(多胎妊娠は98 日)から出産日の翌日以降56 日までの範囲内で、休業し給与を受けられない場合、申請により支給されます。
給付額は休業1 日につき、標準報酬日額の3 分の2 に相当する額です。
これらの手続きは協会けんぽへ必要書類をそろえて申請・届出をします。
育児休業給付金:子が1 歳になるまで(保育所の入所待ち等の事由は最長1 歳6 ヵ月まで)の間、育児休業を取ることができます。
いわゆる「パパ・ママ育休プラス」による場合は、1 歳2 カ月になるまで育休(最長1 年間)を取ることが可能です。
育児休業中は通常、給料がありませんので、本人(雇用保険の被保険者)に対して雇用保険から育児休業給付金が支給されます。
およその給付額は、産休前の給料日額×50%(半年間に限り67%)×支給日数です。
ただし、休業中に給料が8 割以上支払われている人、育児休業に入る時点で育休終了後に退職の予定がある人などは、育児休業給付金は支給されません。
この手続きは、ハローワークへ必要書類をそろえて申請・届出をしますが、受給要件や提出期限がありますので事前に確認しておくとよいでしょう。
保険料免除:育児休業等期間中の健康保険・厚生年金の保険料は、申出により本人分・事業主負担分とも免除されます。
また、産前産後休業期間中〔産前42 日(多胎妊娠は98 日)、産後56 日の範囲内〕の保険料についても、本年4 月1 日より、申出により免除されることになりました。
この手続きは年金事務所へ必要書類をそろえて申請・届出をします。
不利益取扱いの禁止:社員(パートタイマー、契約社員を含む)が、妊娠・出産したこと、産前産後休業、育児休業等の申出をし、または取得したこと等を理由として、解雇その他不利益な取扱いをすることは、男女雇用機会均等法、育児・介護休業法で禁止されていますので留意しましょう。
藤浦 隆則(江戸川支部)
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