未支給年金と遺族厚生年金の請求とその手続(2016年8月)
Q
老齢厚生年金を受給している人が死亡したときは、最低でも1カ月分の老齢厚生年金の未支給分(未支給年金)が発生すると聞いていますが未支給年金はどうして発生するのでしょうか。
未支給年金を受給するにはどうすればよいのでしょうか。
A
老齢厚生年金は支給事由が生じた月の翌月から支給が始まり、権利が消滅した月(死亡した月)まで支給されます。
年金は偶数月に2 カ月分ずつ支給されます。例えば2月に振込まれた年金は12月、1月分の年金です。4月は2月、3月分が振込(支給)まれます。6月には4月5月分の年金が振込まれます。年金受給者が6月に死亡したとしても6月分(死亡した月)までは支給されます。
しかし、6月に振込まれた年金は4月5月分の年金であり6月分は含まれていません。
6月分の年金は本来ならば8月に振込(支給)まれるはずですが、受給者が死亡していますので受給者に年金が振込まれることはありません。
年金の受給権(死亡した月まで)はあるのに支給されない年金を「未支給年金」といいます。死亡したのが7月であれば6月7月の2カ月分が未支給年金となります。
未支給年金は請求しなければ支給されません。未支給年金の請求は、死亡した人と生計を同じくしていた配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹がこの順位で請求することができます。
夫が死亡し、妻が請求するときは、夫の名前でなく妻自身の名前で請求書を書きます。
請求は未支給年金保険給付請求書に必要事項記入の上必要添付書類をそえて住所地を管轄する年金事務所に提出して下さい。
Q
遺族厚生年金の請求手続は、どこでどのようにするのでしょうか。
A
遺族年金の請求手続の場所は死亡した人が最後に加入していた制度によって決まります。最後の勤めが厚生年金加入の場合は最後に勤めていた会社を管轄する年金事務所です。複数の制度に加入していたが、最後に加入していた制度が国民年金の場合は、住所地を管轄する年金事務所です。
すでに老齢年金を受給していた人が死亡したときは、住所地を管轄する年金事務所で行います。遺族年金の請求は、遺族年金給付請求書に本人の基礎年金番号等必要事項記入の上、年金事務所へ提出して下さい。
添付書類として死亡した人および請求者の年金手帳の他、死亡診断書、除籍謄本等が必要です。詳しくは年金請求書をもらう時に必要書類を確認して下さい。
豊福 雅典(千代田支部)
豊福労務経営管理事務所
所長 特定社会保険労務士
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