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経営者Q&A

令和元年改正会社法について(2020年9月)

Q

昨年、会社法が改正されたと聞きましたが、本当ですか?

A

会社法の一部改正が、令和元年12月4日に成立し、同月11日に公布されました。
今回の改正は、平成18年に会社法が施行されてから2度目の改正です。
改正点は、①株主総会に関する改正 ②取締役等に関する改正等多岐にわたります。
以下、主な改正点の概要についてお話しします。

1.株主総会資料の電子提供制度の導入
現在、公開会社(株式の全部又は一部について、譲渡制限の定めのない会社)については、株主に出席と準備の機会を与えるために、株主総会の2週間前までに、株主総会参考書類、計算書類及び事業報告等(株主総会資料)を株主に提供しなければならないとされています。

この2週間という期間は、短くて投資家等からは検討するのに十分でないと指摘されていました。現在の会社法でも、株主の個別の承諾があれば、インターネットを利用して株主総会資料を提供できますが、いろいろ問題点があったためか、ほとんど採用されていませんでした。

今回の改正法は、「取締役が、株主総会資料を自社のホームページ等のウェブサイトに継続して掲載し、株主に当該ウェブサイトのアドレス等を書面により通知すれば、株主の個別の承諾がなくても、株主総会資料を適法に提供したものとする電子提供制度」です。但し、株主は、一定の条件のもと、書面で交付することを請求できます。この制度の導入により、株主に、従来よりも早く株主総会資料を提供できるようになると考えられます。会社にとっても、印刷や郵送にかかる費用負担を削減できます。※施行日は、公布の日(令和元年12月11日)から起算して3年6月を超えない日です。

2.会社の支店所在地における登記の廃止
平成18年の会社法施行前は、原則として、支店では役員変更等を含め本店と同一内容の登記がなされていました。

平成18年の会社法施行後は、役員変更等は本店でのみ登記され、支店では登記する必要がなくなり、支店の登記簿は中身のないものとなっていました。

平成18年頃よりも更にインターネットが広く普及した現在では、会社情報の探索が容易になり、必要性に乏しいとして廃止されることとなりました。※施行日は、公布の日(令和元年12月11日)から起算して3年6月を超えない日です。

3.成年被後見人等の欠格事由の見直し
ノーマライゼーションの観点から、成年被後見人等が取締役等の欠格事由でなくなりました。成年後見人が被後見人の同意を得たうえで被後見人に代わって就任承諾することにより、また、被保佐人が保佐人の同意を得ること等により、成年被後見人や被保佐人が取締役等に就任できるようになりました。

なお、現在取締役等である者が、後見開始の審判を受けたときは、会社と取締役等の関係が委任契約である為、その終了事由にあたり、取締役等を退任することとなります。※施行日は、公布の日(令和元年12月11日)から起算して1年6月を超えない日です。

小西 明夫(新宿支部)

小西司法書士事務所
司法書士

TEL.03-3357-8556
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E-mail : fighters@athena.ocn.ne.jp

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