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経営者Q&A

DX化の考え方(2021年11月)

Q

当社は社員30名ほどの製造業を営む中小企業です。最近、DX(デジタル・トランスフォーメーション)という言葉をよく聞きます。当社もデジタルやITといった点で遅れているように感じています。今後は請求書なども電子化されていくとも聞いており不安に思っています。当社はいまだにFAXや手書きの資料、更には手形も使っており、漠然とした不安があります。良い「システムなど」について教えてほしい。またシステムを活用して社員の教育や能力の底上げも図れたらと思っています。

A

昨今、中小企業も働き方を大きく変えつつあります。出社しない・移動しない・集まらない、といった働き方に移行しつつあります。それに伴い、IT化システム化の気運が高まってきており、「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」と叫ばれています。ただ、これらは今に始まったことではなく、20 年以上前から大企業で着々と進んできたことであり、今やっと、中小・零細企業にも広がってきているのが現状です。やっと多くの経営者に活用できるぐらいにリーズナブルになってきたのが現状です。ですので、システム化=DX化を考えるのであれば、まずは次のような方に相談されるのが得策です。なぜなら多くの大手企業がお金をかけて20 年以上やってきた“手法”そのものだからです。
① ITとシステム、会社の業務全般、“経営”に詳しい人:ITやシステムに詳しいだけなら多くいますが、どんなに小規模であれDXを考えるのであれば、御社の業務全般や経営をある程度、理解してくれる方が望ましいです。単にITを入れてくれるだけの人なら誰でも出来ます。
② (税務でなく)会計の素養のある人:DX化をしようと考える際、大事なのは「今後の経営」です。その際に最も大事なことは「会計」です。会社の経営を成長させていく際に鍵となるのが「会計」なのです。③戦略的な思考を持っている人:一つの考えを押しつけない人です。単にSNSだけやればOKとか、チラシだけ頑張ればとか、これ「だけ」やりましょう!としか言わない人はやめておきましょう。
④ 一緒になって考えてくれる人:戦略的な思考を持っている人は「自分の答え」を強要しません。一緒になって戦略を考えてくれます。DX化は経営戦略です。それを一緒になって考えてくれる人を探しましょう。
⑤ 業務の設計ができる人:まさにIT やシステムだけではなく、社員が実行すべき「業務」を親身になって一緒に考えてくれる人が良いです。
⑥ チームや組織を理解できる人:もしかすると、これが一番大事かもしれません。“人”がいなくては、経営は成り立ちません。経営の無いDXはあり得ません。人のことを理解して、業務の設計やシステムを提案できる人に相談しましょう。
⑦ “システム”を分かっている人:これまでの①から⑥を熟知されていて、更にシステムを“作れる”人でなく、分かっている人に相談しましょう。作れなくても構いません。“システム”のことが分かっている人で、①から⑥が分かっている人で充分です。

前田 和宏(中央区支部)
株式会社銀座みらい会計
公認会計士・税理士
TEL:03-5799-6056
HP: http://biz-straight.com
e-mail: maeda@biz-straight.com

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